2019/10/11
今日は「日本人ノーベル賞27人目!!お隣からは垂涎の眼差し!?」についてお伝えしたいと思います。
日本人27人目の受賞
10月9日、日本人、旭化成の名誉フェロー吉野彰氏を含む3人がリチウムイオン電池を開発したとして2019年ノーベル化学賞に選ばれました。日本のノーベル賞は2018年の受賞に続き27人目、化学賞は2010年に続き8人目となり、企業所属の研究者としては2002年に同じ化学賞を受賞した島津製作所の田中耕一氏以来となります。
同時に受賞した二人が発見、発達させた基礎原理を基にリチウムイオン電池の基本構造を確率して1985年に特許を出願、1991年にソニーが世界に先駆けて製品化しました。
ノーベル賞はダイナマイトを発明したスウェーデンの実業家、アルフレッド・ノーベル氏の遺言により1901年から授与されています。
賞は、物理学、化学、生理学・医学、文学、平和、経済学の6分野となっていて、それぞれ毎年3人までが選ばれます。日本人はこれまで経済学賞のみ受賞しておらず、18年までの国別受賞者数では世界5位につけています。
世界を変えたスマホ
今となっては、携帯電話やスマートフォンを誰もが当たり前に持ち歩きはじめ、1人ひとりがネットに繋がり、ノートパソコンでいろいろな場所で仕事ができるようになりました。それまで充放電できる蓄電池といえばニッカド電池で、リチウムイオン電池は小型、軽量で電圧・出力も高く、三菱自動車の電気自動車(EV)もこの技術がなければ為し得ていません。
ネット中心としたライフスタイルや働き方、産業構造にも影響を与え、スマートフォンの普及は途上国のような通信インフラが脆弱な地域でも、ネットへのアクセスを可能にし、インターネットとともに、情報の流通とコミュニケーションを根底から変えることになりました。
そのスマートフォンが世界でもっとも普及する国として知られる韓国ですが、その普及率はなんと95%で、のこり5%も従来型の携帯電話をもっているケータイ大国です。日本が66%といわれるのでその差は圧倒的ですが、半導体とともにスマートフォンに欠かせないリチウムイオン電池が日本の発明だと聞いて、韓国人の胸中は穏やかではないようです。
韓国人は羨望の眼差し?
朝鮮日報は輸出管理強化と関連させ、今回日本は素材・部品・設備分野では7回目の受賞とし、この知らせは「韓国産業界が歩むべき『克日』の道がまだ遠い厳しい現実を改めて知らしめるもの」で「つらいニュースだった」と掲載。
さらに「吉野氏が属する旭化成はバッテリー分離膜で世界首位」、「バッテリー容量を左右する陽極材料は日亜化学工業、陰極材料は日立化成、住友化学が世界最強」とし、「バッテリーパウチはLG化学、サムスンSDI、SKイノベーションなど韓国のバッテリー大手3社が全量を日本から輸入している」と指摘しました。
また韓国の専門家の話として「韓国は日本製の化学素材の90%を国産化したが、重要部分の10%はまだ作ることができずにいる」「一部の素材・部品の格差は20年に達する」と紹介しました。さらに「韓国はLG化学、サムスンSDIが世界のEV用リチウムイオン電池市場で4位、6位を占めるバッテリー強国だが、実は日本製の重要部品・素材がなければ、生産ラインを止めざるを得なくなるかもしれない立場にある」と指摘しました。
垂涎の最高権威
韓国はこれまで金大中元大統領のノーベル平和賞1件しか受賞しておらず、科学技術分野での先進国を自負する韓国にとっては、まさに喉から手が出るほどほしいと願う権威の象徴で、いわば国民の悲願。
そのため日本人がノーベル賞を受賞するたび、「なぜ同じ人種(?)なのに韓国人は受賞できないのか?」といった比較分析が行われるようです。
それによると韓国の国民性、社会風土により、研究者は「科学研究の本質的な価値を忘れ、ノーベル賞が目的化」していて、政府も「ノーベル賞に近そうな学者に巨額の予算を与えるだけ」ということです。つまり、「ノーベル賞という目先の成功に執着するのでなく、日本のようにコツコツと楽しみながら研究に打ち込む姿勢が必要」とKAIST(韓国科学技術院)の教授は述べています。
前述の田中耕一氏は、自分の業績がノーベル賞に値するか自信が持てず「ノーベル賞は苦痛だった」と語っています。この言葉の本質が理解できないうちは、受賞できないかもしれませんね?
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