防衛費交渉にまさかの遅延戦略!年内妥結しないと在韓米軍撤退!?職員9000人は実質解雇!?

2019年10月

2019/10/04

今日は「防衛費交渉にまさかの遅延戦略!?年内妥結が期限!」についてお伝えしたいと思います。

職員9000人が無休休暇

先月から始まった第11次米韓防衛費分担金協定(SMA)交渉を巡り、もし年内に妥結しない場合、来年4月から韓国人職員を強制的に無給休暇させる方針を在韓米軍司令部が定めたことが2日に分かりました。

今回の会議は12月31日に満了する第10次SMA交渉、現在9億9000万ドル(約1060億円)を更新するためのもので、米国は韓国に対し5倍以上にもなる50億ドル(約5400億円)を要求しています。在韓米軍には韓国人職員がおよそ9000人働いているとされ、在韓米軍労働組合は1日、前述内容の司令官名義の文書を受け取ったことを明らかにしました。

在韓米軍司令部は昨年の第10次防衛費交渉でも今回と同じく在韓米軍労働組合に同様の文書を送付していますが、今年は「体感が違う」ともいわれていて、韓国政府にも「韓国に対する強い圧力」という意味合いで受け止められています。

まさかの遅延戦術

今回のSMA交渉に対し韓国政府が強い米国の圧力を感じているのは、もちろん大幅な増額要求であることの他、ソウル市内で行われた1回目の交渉当日まで新しい首席代表を任命しないという、まさかの「遅延戦略」をとったことが影響しているようです。

韓国側の新代表には元企画財政部次官補の鄭恩甫(チョン・ウンボ)元金融委員会副委員長が挙がっていましたが、韓国政府内でも任命する過程で終盤に問題が発生したということのようです。チョン元副委員長はソウル大学経営学科を卒業し、企画財政部の国際金融政策官、次官補、金融委員会の金融政策局長および同副委員長を歴任後、退任。米韓自由貿易協定(FTA)交渉でも重要な役割を担ったとされる経済官僚です。

これまで国防部と外交部が担ってきた防衛費交渉の代表を経済専門家が行うことは、安全保障の本質よりも費用面を重視しているとのメッセ-ジとも捉えられ、さらなる米国の反感を買うのは必至です。

在韓米軍は必要?

韓国の国防部傘下国防大学は昨年8~9月に現代リサーチ研究所に依頼して、成人男女1200人と安保専門家60人を対象に安保意識世論調査を実施したところ、在韓米軍に関連しては国民の77.8%が「韓国の安保に重要だ」と答えたようです。

また専門家では95%が在韓米軍が国の安保に重要だと回答、「在韓米軍の縮小時、北朝鮮に対する戦争抑制能力が減少するだろう」と考えているようです。さらに在韓米軍駐留に対しては専門家の半分(48.3%)が「南北統一以降にもできるだけ駐屯し続けるべきだ」と答えていて、統一朝鮮が実現した場合においても、在韓米軍に一定の役割を期待していることがわかります。

縮小を続ける米韓合同演習については、一般国民の70.3%と専門家71.7%が必要と回答し、戦時作戦統制権の韓国軍への返還について、専門家の中では「米韓同盟が弱まるだろう」(36.7%)という見方が多勢となりました。

落としどころは2兆ウォン?

韓国政府内では「米国は最終的に2兆ウォン(約1800億円)前後、つまり要求額の1/3程度になるのではないかと見ていますが、それほど甘くはないと考えられます。

今回の遅延戦略および米韓首脳会談での文在寅大統領の逃げの姿勢により、トランプ大統領の韓国への怒りはピークに達しています。明日5日に予定されている米朝の非核化へ向けての実務者協議の進展によっては、在韓米軍の駐留に関する意味合いが変わってくる可能性もあります。

また来月11月にはいよいよGSOMIA終了期日を迎えることから、米国の韓国へ対する態度はより強硬になってくると考えられます。来年4月から始まるとされる無休の職員9000人。時間ができれば、今流行のデモに参加してもいいし、激安航空券で旅行に行くのも自由ですね。たまには骨休めも大切ですね。

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