2019/05/06
今日は「関税の25％上げを表明。米中交渉長期化へ」についてお伝えしたいと思います。
トランプのツイート
米国のトランプ大統領は5日、2000億ドル相当の対中国関税を今月10日から現在の10％から25％に引き上げるとツイッターで表明しました。米中は閣僚級会議を開いて昨年12月から関税引き下げ交渉を行っていますが、中国の協議は遅すぎると批難し、速やかに25％の関税を課すと主張しました。さらに残りの3250億ドル相当の中国製品にも近く25％の関税を発動する考えです。
マーケットの反応
これまでトランプ氏は、対中交渉は順調に進んでいて、素晴らしい合意ができると主張をしていました。マーケットも楽観論が多勢を占めており、米中貿易戦争は早期打開にむかうと考えていました。このツイートを受け、5日夜の時間外取引でダウ先物は400ポイント以上、ナスダックも100ポイント以上下落し、今後の影響も懸念されます。
なぜこのタイミング？
両国が関税引き下げで大筋で合意したと見られていたこのタイミングでの爆弾発言となりました。5月8日から中国の劉鶴（リウホー）副首相が訪米して閣僚級会議を行うことになっていたことから、脅しをかけることで中国側の譲歩を求める狙いがあると考えられています。
中国の反応
中国が8日の閣僚級会議を取りやめることを検討していると報じた米紙もあり、中国側が態度を硬化させてしまえば、早期打開が遠のく可能性も出てきました。さらに中国側が報復関税を仕掛けてくる可能性も十分考えられます。
中国への厳しい声
中国は人民元の為替操作や知的財産権の侵害について、これまでも改善しようとする動きはあまりみられません。国際社会での存在感が大きくなる中、国際ルールを守ることは絶対条件です。関税戦争がよい事とは思いませんが、考えるきっかけにして欲しいものです。安い中国製品に押されていた日本の産業分野にもチャンスが生まれるかもしれません。火事場泥棒っぽいですけどね。
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