2022/10/26
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ウォンを刷れ!

韓国の江原道レゴランドショックで触発された韓国債券市場の流動性危機に、慌てた韓国政府は23日、「50兆ウォン+α」規模の流動性(資金)供給プログラムを施行すると発表しましたが、その巨額資金をどうやって捻出するかをめぐり、政府の金融委員会と韓国銀行で大モメしているようです。
現江原道知事(国民の力所属)が前知事の政策否定をする意味で、レゴランドにおけるわずか2000億ウォン程度の債務履行を拒絶したことで、国庫を揺るがす50兆ウォンもの流動性危機に陥ったという皮肉な状況になってしまったわけです。
先日もご紹介したように、韓国の優良債券ですら買い手が付かない状況のなか、巨額の国庫を使って債券を買取っていくという大胆な計画です。
政府側(金融委員会)は、韓国銀行に対して「新規の資金供給の役割を果たせ」と連日にわたり圧力をかけています。
市場では、発表された「50兆ウォン+α」規模の流動性供給プログラムでも不足するとの声が強いなか、金融委員会は「(この)流動性供給プログラム(債券市場安定ファンド)について、金融機関の出資金だけでは限界がある」と指摘。
民間の金融機関からの出資金を「あてにできない」との意向を示しました。
その上で、「今やるべきは韓国銀行ができうる手段をすべて行なうことだ」とし、その措置の一つとして「SPVの再稼働」に言及しました。
SPVの再稼働というのは企業流動性支援機構の設立を意味し、これは韓国銀行が「発券力(ウォンを増刷する権限)を行使する」ための器(ビークル)で、韓国銀行内でも「最後の砦」といわれるカード。
韓国政府は、韓国銀行に「ウォンをガンガン刷れ」と要求しているというわけです。
政府としては、債券市場安定ファンドを銀行や証券会社からの出資金で賄いたいと考えていますが、そのために銀行債などが大量に発行されてしまえば、余計に一般民間企業の資金調達が難しくなってしまいます。
そのため韓国銀行が直接、「現金を市場に投入するべきだ」というのが政府の要求です。

本来、韓国銀行は営利企業に直接貸し出しができませんが、公共機関債、銀行債に関してのみ買入れを緩和する方法」を取るように要求しているわけです。
実はこれには伏線があり、韓国金融当局(金融委員会、企画財政部、韓国銀行など)は24日、韓国大手証券会社9社の代表取締役を呼びつけ、「(わずか)1兆ウォン規模の資産流動化企業手形(ABCP)買入れ専用ファンドを作ってほしいと要請」しましたが、あっさり断られています。
金融当局側は、危機の発端となったABCPのデフォルトリスクを「証券業界が自律的に市場安定化策を講じた」との立場をつくり、「金利差で過去最高益をたたき出す市中銀行」への出資要請に大義名分を加えたい考え。
証券会社は、「投資はホームランもあれば三振もある」「ABCPで損失を出すのは自己責任」「規模にかかわらず激しく競争をしている同業を助けることはない」「数百億ウォンも拠出すれば理事会の説得どころか背任行為となる」と当然のように主張。
そもそも資金不足に陥っている証券会社から、「出資」が得られることはないと思い知ることになりました。
また、伝家の放蕩「国際発行」に関しても、文在寅前政府で崩れた財政規律を正すというのが尹錫悦大統領の公約です。
IMFのアジア太平洋局長は25日、韓国銀行を訪問し、「家計負債より政府負債がより懸念される」「政府負債がGDP比55%を超えたが、60%を超えてはならない」と釘を刺したばかり。
韓国政府も25日、ソウルで行なわれた「第9回KTB(Korea Treasury Bond)国際カンファレンス」で、「国庫債発行量を当初目標より果敢に縮小する」と表明しています。
慌てふためいて表明した「50兆+α」、その責任の押しつけあいもこれから激しくなりそうです。

経世済民の趣
この関連記事をみた韓国人の反応は
金融危機を自ら呼び起こした稀代の無能政権。どうしてこんなに無能なのか?
キムジンテは道知事を辞退し、ハンドクス首相が介入すべきだ。地方債の不信でこの事態が起きたなら、原因提供者は処罰し、信頼回復のために努力しなければなりません。
キムジンテの保証拒否で政府企業の信用が揺れ、優良企業まで資金梗塞、不渡りに直面、損失は数百兆に達する。国の経済を愚か者に任せれば、国民がそのコストを払うことになる。
本当に無能、恥ずかしい。2000億のために50兆を解くと?これならどうして金利を上げたのか?
李在明は城南市長になるやいなやモラトリウム宣言をして浮かび上がった。キムジンテはそれよりも強いデフォルト宣言して次期大統領候補を狙っているのだ。
韓国銀行は独立機関だ。金融委員会が口を出さないでください。
無能な政治家が国家を巻込んで国民に被害を与える例・・・。投資家が金脈をつかむのに発券?それで英国の首相が飛ぶのを見ていなかったのか?大韓民国を食べないでくれ。
キムジンテ道知事は極刑に処し、経済陣をすべて変えなければならない。
チュギョンホが電気代を適切に上げていたら、韓国電力債も発行する必要もなく、そっちに資金が集まって他の債券が売れないこともなかった。
金融委員会は狂ったのか?この時期に発券?これはagain IMFか?
今さら国家信用は回復しない。その上我が国の貿易赤字が減っていない。中ロに輸出できず、欧米も景気低迷で輸出が増えない。この渦中にわざわざ債務不履行宣言する馬鹿!
検察出身のキムジンテがしたことだ・・・。ところが、あいつは何をしたのか分かっていないらしい。検察出身の政治家のせいで、国が滅びてしまう。
発券力を動員すれば英国の事例のように韓国債券が暴落するはずなのに・・・。尹錫悦が英国のように辞任して正常な人が大統領になるまで待つしかないのか。
この5年間で世界に認められた国家だった大韓民国をわずか5ヶ月で滅ぼす無能な検察政権。本当に違う意味ですごい。
金融委員会は病気なのか?韓銀がお金を出し始めると直ちに為替レートは1500ウォンを突破し韓国から資金がすべて抜け出る。国家の信用をたたき壊すつもりか?
韓銀まで動員して証券会社と建設会社を生かすと言うのか?韓銀は物価安定が主な仕事であって、会社債を買って金融を緩める所ではない。この際、不良企業を淘汰すれば良い。
お金を印刷しようというのが解決策か?本当にアマチュア政府だ。これから検察出身者は政治家になれないようにすべきだ。
国民に現状と危険性を十分に説明しなさい。また庶民たちを対策なしにIMF事態に巻込むつもりなのか?
政治、経済、外交、北東アジア、北朝鮮など、経験が一つも無い者がどうして大統領になってしまったのか?なぜ国民が被害を受けなければならないのか?
韓保事態で始まったIMF事態、キムジンテ事態で第2のIMF金融危機が来たと見える。
以前から思っていたが、検察出身者を選んだ国民は愚かだ・・・。検察は法をよく覚えるだけで、その他は一般国民よりも愚かな場合が多すぎる。特に政治、経済で。
とのことです。

韓国政府から「お金を刷れ」と迫られている韓国銀行は「将来的な議論をすることはできるが、今する施策としては不適切だ」と反発しています。
韓国銀行の李昌ヨン(イ・チャンヨン)総裁は、「現状では証券会社を中心にCP市場が困難を経験してはいるが、銀行が資金調達に困難をきたしている状況ではなく、そのような段階ではない」と指摘。
市中に資金がないわけではなく、資金が「韓国電力債、産業銀行債券など一部の大型発行債券に集中していることが問題だ」とし、一般会社債、都市銀行債に資金が集まらないのは「資金配分」の問題だと主張。
さらにこの施策は、インフレ抑止と為替防衛のため、基準金利を引上げながら金融引き締めをしている現在の韓国銀行の方針に真っ向から逆行してしまうことになります。
つまり市中に流れた多量の新規通貨がさらなるインフレを誘発し、さらにウォンの価値は拍車をかけて下落、下がり続けている国際的な信用度に決定打を与える一手になってしまう可能性があります。
まさに英国のトラス前首相と同じ轍を踏むことになるわけで、李昌ヨン総裁は「この政策が海外でどのように受け止められるか考える必要がある」とし、「最初から劇薬を使うことはできない」「対策にはタイミングがある」と、まだその時ではないとの認識を示しています。
ただ今回のレゴランドショックが金融市場に与えた影響は甚大で、韓国銀行の金利政策でさえも狂わせているようです。
韓国銀行は11月に開かれる今年最後の金融通貨委員会で、10月に続き、基準金利を0.5%ポイント上げるとみられていました。
ところがレゴランドショックで、少しの刺激にも耐えられなくなりつつある債券市場に、「大幅金利引上げ」のニュースはいわば劇薬、さらに資金市場が凍結してしまうことになりかねません。
かといって、米韓金利差による海外資本の流出、進むインフレとウォン安を考えると、0.5%ポイントの金利引上げをしておきたい韓国銀行。
どちらを選択しても、結局は「凶」ですけどね。

のぞみのワンポイントニュース


立憲民主党の野田佳彦元内閣総理大臣は25日の衆院本会議で、安倍晋三元総理の追悼演説を行ないました。
これがまた名演説、涙なくしては聞くことができません。YouTubeでもノーカットで伝えられていますので、ぜひ一度ご覧下さいね。
野田氏は民主党政権においても、「もっともマトモ」「もっとも常識的」な総理大臣だったとされている人で、立憲民主党の執行部が安倍氏の国葬不参加を決める中、「元首相が元首相の葬儀に出ないのは、私の人生観から外れる」「『長い間ご苦労さまでした』と花を手向けてお別れをしたい」と国葬に出席していました。
立憲民主党の安住国対委員長は、「野田元首相でないとできない重みと権威があったと思う」「党派は違っても、首相経験者でなければ語れない追悼演説だったのではないか」と語るなど、与野党陣営問わず、称える声が相次ぎました。
議場で演説を聞いた昭恵夫人は、野田氏に対し「野田先生にお願いしてよかった」「主人も喜んでいるでしょう」「原稿を仏壇に供えたい」と伝えたといいます。
野田氏は演説で、安倍氏のことを「仇のような政敵」とだったしながらも、「一対一の『果たし合い』の場」で、「激論を交わした場面の数々が、ただ懐かしく思い起こされる」と語り、「心優しき一人の政治家」と評しています。
「再びこの議場で、あなたと、言葉と言葉、魂と魂をぶつけ合い、火花散るような真剣勝負を戦いたかった」、「勝ちっ放しはないでしょう、安倍さん」と呼び掛けました。
また、野田氏はオバマ元大統領とトランプ前大統領の名前をあげ、「全くタイプの異なる二人の米国大統領と親密な関係を取り結んだ」とし、安倍氏に「日米同盟こそ日本外交の基軸であるという確信」があったからこそで、安倍氏には「人と人との距離感を縮める天性の才があったことは間違いない」と述べています。
そして野田氏は「皇室典範特例法」へ至る2人だけの議論に触れ、安倍氏となら「天下国家のありようを腹蔵なく論じあっていける」との期待をもっていたと語っています。
その上で、安倍氏の遺したものは「遠い歴史の審判に委ねなければならない」としながらも、「暴力」に打ち勝つために「言葉の限りを尽くして」、安倍氏の「光と影」を問い続けたいと述べました。
さらに野田氏は「不完全かもしれない民主主義」を「言論の力を頼りに、少しでもよりよきものへと鍛え続けていくしかない」と強調しています。
先ほども「暴力に打ち勝つ言葉の力」というくだりが出てきましたが、野田氏は演説の最初と最後に「政治家の握るマイクには人々の暮らしや命がかかっている」と述べています。
これは、「安倍氏を襲った暴力に言論は決して屈しない」との意思表示とともに、後に続く議員に対する訴え「真摯な言葉で、建設的な議論を尽くし、民主主義をより健全で強靱なものへと育てあげよう」に続いています。
野田氏は、決して建設的とは言えない「国会」という議論の場を、憂慮しているのではないでしょうか?
そうであるならば、政治家としての気概や矜持をもっている首相経験者の野田氏が、立憲民主党の党改革にぜひ取り組んでいただきたいものです。
立憲民主党内で目立っていないように感じるのが気になりますけどね。

また、この演説を聞いた野党議員が奮闘して、自民党に対して「建設的な論戦」を挑んでくれることを期待しています。
議場には、拍手が湧き起こっていましたが、まさか拍手にまで不参加の議員はいなかったでしょう。
もしいたとすれば、議員の前に何かをやり直した方が良いんじゃないですか?
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