2022/06/29
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全てが水の泡
韓国の秋慶鎬副首相兼企画財政部長官が28日、大企業の過度な賃金引き上げが物価上昇をさらに深化させるとして、自制を要請しました。
この発言に労働界のみならず、一般市民からも驚きとともに反発の声が広がっています。
秋慶鎬副首相はこの日、ソウル市麻浦区で韓国経営者総協会会長団との懇談会を開き、「最近一部のIT企業と大企業中心に高い賃金引き上げ傾向が現れ、他の産業・企業に広がる兆しを見せる非常に憂慮する状況」と指摘。
「特に好調で余力のある、上位大企業を中心に成果報償または人材確保という名分で競争的に高い賃金上昇を主導している」と述べました。
秋慶鎬副首相が言及した企業には、ネイバー、カカオも含まれていると思いますが、昨年の平均年俸が1億3000万ウォン(約1370万円)だったネイバーは今年、さらに10%の引上げを行ない、
1億7000万ウォン(約1790万円)だったカカオも今年、15%引き上げられました。
なお、サムスン電子やLG電子も9%程度の賃上げを行なっています。
このように好調な企業がどんどん賃金引上げを行なえば、それに他の企業も追従せざるをえない状況が発生、連鎖的に実力以上の賃金引上げをしてしまう可能性もあります。
もちろん労働界からの賃上げ要求も、好調企業に引っ張られて、より強硬になっていく懸念があるということが含まれています。
実際に一部の大企業では、労組の圧力に屈し、2ケタの賃上げを断行しているところも少なくない状況で、中央日報は「産業界全体に賃上げドミノが現われている」と表現しています。
また現在、来年度の最低賃金引上げ交渉が行なわれている真っ最中ですが、その交渉にも影響を与えてしまうことは必至です。
秋慶鎬副首相はさらに、「(韓国の)経済状況がとても良くない」とし、「特に最も懸念される部分が最近急上昇している物価だ」と指摘。
「政府は物価の安定に、できる限りの政策手段を総動員しているが、高賃金現象が拡散し始めれば手の施しようがない」「物価安定に向けたどんな努力もすべて水の泡になる」と強調。
「特に物価上昇の雰囲気に便乗して競争的に価格・賃金を上げ始めると、物価・賃金の連鎖上昇という悪循環を招く」とし、「できるだけ、企業による生産性向上とコスト削減努力などを通じて、価格上昇要因を最大限自己吸収して欲しい」と要請しました。
つまり秋慶鎬副首相は、物価上昇を超える賃金上昇が続けば、その賃金上昇分が製品価格に転嫁され、さらに物価を上げる効果を招いてしまうことを心配しているわけです。
現在、エネルギー価格や原材料価格が高騰しているなか、一定の高水準を保っている韓国の賃金がさらに上昇すれば、確実に物価上昇の加速に繋がります。
加えて秋慶鎬副首相は、「過度な賃金引き上げは、大企業と中小企業の賃金格差をさらに拡大し、中小企業、労働脆弱層の相対的剥奪感も高める」とし「これは結局社会的葛藤を増幅させる恐れがある」と指摘しました。
続けて「大企業の生産性を超える過剰な賃金引き上げは、労働市場の両極化を拡大し、企業現場のあちこちで雇用ミスマッチを深化させる」とし「企業はこうした高賃金・高コスト構造のもとで(国際的な)競争力を継続維持することは容易ではない」と述べました。
そして、「賃金は基本的に労使間で自律的に決定する部分」とは言いながらも、「最近の韓国経済の困難を考慮して、経営界では過度な賃金引き上げを自制して、生産性向上範囲内の適正水準に引き上げることを求めたい」と要請しました。
ご自身で指摘しているように、政府が企業に対して賃上げを自制しろと要請するのは、極めて稀なケース。
文在寅前政府のおかげでボロボロとなってしまった韓国で、どうすることもできなくなった混乱具合が哀愁を誘いますね。
経世済民の趣
この関連記事をみた韓国人の反応は
苦心の末に出した物価対策が、大企業の賃金制限か。(笑)
落水効果を主張する政府ではなかったか?落水効果の3要素は給与引上げ、協力業者成長、企業のさらなる貢献。法人税は減免して給料引上げは制限するだと?財閥へのわいろか?
副首相は初めてだから、ユンさんも大統領は初めてだから。こんな連中が国を・・・。歴代級のアマチュア政府です。
市場介入は共産党だといっていた尹錫悦たちはどこに行ったのか?
私がしたらロマンスであなたがすると不倫です。(笑)
国会議員を最低賃金にすれば解決する問題だ。大臣、あなたから模範を見せてください。年俸を返却して国に奉仕すれば認めてあげよう。サラリーマンは犬豚か?
生産能力のない60代が支えて執権したユン政府。基礎年金を廃止しよう。
尹錫悦政府のレベルがこれだ。弾劾しましょう。
予想通りになっていく、検事たちの国だ。オイル価格、物価はずっと上がるけれど、サラリーマンは滅びろというんだな。ユンの弾劾はまもなく始まるだろう。
乞食のような政権。金持ち、企業減税、庶民・勤労者増税・・・。誰が選んだのか?やはり李在明を選ばなければならなかった。これは国か?
もう大統領も2ヶ月目なのに、経済副首相はこのようなたわごとを・・・。前の5年は持ちこたえたが、次の5年でどのくらいこの国は最悪の状態になるのだろうか。恐ろしい。
尹錫悦を選んだヤツら、見ているか?初めから尹錫悦は庶民のために仕事をしません。
ムン災害のとき、税金を支払わなくてもお金を受け取るのが良かったのか?そのような根性だから国が滅びるのだ。
歴代最悪の政府だ。物価が上がり、金利が上がり、家賃が落ちて、賃金が削減され、情けない。本当に今の政権は最悪だ。
ビットコイン地獄、海外投資株式地獄、コスピ地獄、物価上昇、電気料引上げ、油価格上昇、解雇プログラムの推進、金持ち減税、国旗問題。
賃金凍結もしくは削減推進、労働時間増加推進、これは現政府が1年たたずにやっていることだ。
全国民の平均所得以下に対して差額を国家が支給しろ。これが共産主義か資本主義か。この程度ならホン・ナムギよりさらに悪いやつだ。
検察独裁共和国の考えは明確だ。親企業政策!財閥の手下になるのだった!ああ、本当に迷惑だ、弾劾しよう!
金持ちは減税して庶民だけ死ねと?物価が30%上がるというのに幽体離脱式話法で、経済副総理の資格があるのか?賃金凍結されれば30%賃金削減だ、この無能な経済副総理。
政府が出てきて賃金を上げないでくださいというのは本当ですか?エネルギー、資源問題などで物価が上がるから賃金が上がるのに、順番が間違っているのではないか?
生きる国民たちの賃金を上げてはいけないと発言する政権は初めて見る。歴代級の逆風に当たって与党が次の選挙には大惨敗者になるだろう。
市場経済国で賃金を制限しようとしている国がどこにありますか?
とのことです。
秋慶鎬副首相の発言に労働界は猛反発。
韓国労総のスポークスマンは、「自由主義と市場経済が重要だ」とし、「民間自律を強調する政府がなぜ大企業の労使問題に介入するのか理解し難い」と批判。
「物価が上がれば実質賃金が減るため、名目賃金をそれだけ上げるのは当然だ」と、従来の主張を繰り返し、「大企業と中小企業間の不公正取引慣行から正せば自然に賃金格差は解消される」と指摘。
「人為的に大企業労働者の賃金を削ればいいという話ではない」と断じました。
賃金引上げの総ストライキなどで、積極的な「政府介入」を要求する労働組合の発言とは思えませんけどね。
また野党、共に民主党の経済危機対応特別委員長は「賃金引上げを自制しろとは何事か」と猛反発しました。
「物価が上がるのに賃上げをしなければ、その苦痛は国民が単独で甘受しろというのか」と述べ、「あたかも物価上昇の原因を高賃金に転嫁しようとしている」と主張。
「日本が『失われた30年』を経験していると例を挙げ、「可処分所得が少ないから経済に活力がでない」とし、「今こそ、所得主導成長を使う時だ」と強調しています。
「お宅らのせいでこうなっているんですが・・・」という恨み節が聞こえてくるようです。
ちなみに、韓国の平均給与はその上昇率とともに、日本やEUを大きく上回っていて、確かに大企業と中小企業の給与格差も世界で最高水準です。
韓国経営者総協会によると、2002年から2018年における韓国の大企業の月給引上げ率はなんと120.7%で、228.4万ウォンから504.2万ウォン(約53万円)に上昇しています。
同期間におけるEUは2593ユーロから3562ユーロ(約51万円)と37.3%の上昇にとどまり、日本は48万3800円から45万9000円に、むしろ5.1%減少しています。
同期間における中小企業の引上げ率は、韓国で87.6%、EUが39.1%、日本が0.8%となっていて、韓国では大企業と中小企業の給与格差が広がっていることが分かります。
2018年基準で韓国の中小企業(10~99人)と大企業の月給格差は202万6000ウォン(約21.3万円)、EUは866ユーロ(約12.4万円)、日本が14万5700円と、韓国の格差が際立ちます。
こんな中で出た秋慶鎬副首相の苦渋の発言ですが、これをネタに労組の猛攻が始まりそうですね。
ところで、「文在寅政府だけで最低賃金が41.6%も上がった、もうダメだ」と主張する経営界と、「数十年間経験したことのない物価暴騰に2ケタの最低賃金引上げは当然だ」と主張する労働界は、来年度の最低賃金引上げ交渉を行なっています。
28日に行なわれた第7次会議で、労働者側は今年の最低賃金よりも12.9%引き上げた1万340ウォンを主張、初回に提示した今年度比18.9%増の1万890ウォンより、気持ちだけ引き下げたようです。
使用者側は、事実上の凍結案だった9160ウォンから9260ウォンに修正、これは今年度比で1.1%引き上げられた水準となります。
このように労使間の乖離があまりにも大きい場合、公益委員会が提出する金額で進むことになりますが、今年の公益委員会のメンバーは文在寅政権下で委嘱された人々。
面白い結果を導いてくれそうな予感がします。
日本でもどこかの政党が、最低賃金を1500円に上げろとか言っていますが、お隣さんの混乱具合を見ると、何も考えていない公約を掲げているに過ぎないとよく分かります。
実現可能性の低い政策を真面目に実現したら「こうなった」という好例ですね。
のぞみのワンポイントニュース
韓国のLGエネルギーソリューションが1兆7000億ウォン(約1790億円)を投じ、米アリゾナ州に建設する予定だったバッテリー新工場の計画を全面的に見直す方針を固めたことが分かりました。
記事によると「最近のインフレと為替レートによるウォン安の影響で、当初の計画よりもはるかに大きな費用の投入が必要とされる一方で、景気の低迷でバッテリー需要が減少する懸念がある」とのこと。
LGエネルギーソリューションの関係者は28日、「経済環境が悪化し、投資費用が急上昇したことから、投資時期と規模、投資内容などを綿密に再検討することに決めた」と述べました。
LGエネルギーソリューションなど韓国の大企業は、2021年5月に文在寅前大統領とともに訪米、サムスン電子、現代自動車、SKグループなどとともに、米国での大型投資を約束。
今年5月のバイデン大統領の訪韓に際しても、お土産として米国への工場建設をアピールしていました。
LGエネルギーソリューションも今年3月、北米での6兆5000億ウォン規模の投資計画を発表。
そのうち、アリゾナ州クイーンクリークに1兆7000億ウォンを投資し、11GWh規模の円筒型バッテリー新工場を建設すると発表、今年第2四半期に着工し、2024年下半期から量産を開始するとの計画でした。
その後、同社は今年4月、現地に約263万㎡の敷地を8444万ドルで確保し、先月には現地の都市計画区域委員会で用地の使用計画が承認され、着々と準備が進んでいたかのように見えました。
ところが、最近の原材料価格と人件費の急騰で工場の建設費と運営費などが急激に跳ね上がり、投資額は2兆ウォン台半ばまで膨れると予想され、投資計画を保留にしたようです。
LGエネルギーソリューションは増えた投資額を製品価格に反映できるか、顧客企業と協議してから、工場建設を最終的に決定するようですが、需要自体が減っているのであれば、話はそう簡単ではありません。
業界では「投資時期を2027年まで先送りするということは、事実上投資を行わないという意味だ」とみられています。
先行投資した工場用地も宙に浮いた格好となりますが、あれほど喜んでいたバイデン大統領にとっては「浮かない」話。
世界的なインフレ、米国の景気低迷は、投資を決めた他の韓国企業にとっても同じこと。
大見得切った投資計画が次々と変更に追い込まれてしまえば、バイデン大統領の支持率にも影響してしまう可能性だってありそうです。
そろそろ、別のお土産を考えておいた方が良いかもしれませんね。
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ではまた 次の動画でお会いしましょう
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